胎盤早期剥離と葉酸の関係性

 

胎盤早期剥離は、妊娠中に胎盤が剥離、つまりはがれてしまうことを指しています。

 

胎盤早期剥離が起こると、胎児だけではなく妊婦の命も危険にさらされます。また胎児の命が助かったケースでも、脳性麻痺などの障害が残る可能性も。

 

そんな胎盤早期剥離、葉酸との関係もささやかれています。胎盤早期剥離とは? 葉酸との関係も含め、確認しておきましょう。

 

 

胎盤早期剥離とは

 

胎盤早期剥離は、「常位胎盤早期剥離」と呼ばれることもあります。

 

通常、胎盤は分娩時に子宮から、自然にはがれ落ちるもの。そのタイミングは、出産後15~30分と言われています。

 

通常分娩の場合には赤ちゃんが産道を通ったあと、かなりのボリュームのものがもう一度産道を通るので、妊婦が驚いたときに「二つ目の出産だよ!」と冗談を言うお医者様もおられます。

 

ところが、何らかの異常によって、胎児を出産する前に胎盤が子宮からはがれてしまうケースがあり、これが胎盤早期剥離です。

 

胎盤早期剥離が起るのは、分娩中の場合もありますし、それよりもずっと早いこともあります。妊娠30週目以降にはいつでも起る可能性があると言われています。

 

発症率は妊娠全体の0.5~1.3%ほど。

 

しかし、発症してしまえば胎児に栄養と酸素の供給が断たれるため、胎児ジストレス(仮死)を引き起こす可能性が高く、胎児の死亡率が30~50%。大量出血を起こす可能性があるため母胎の死亡率も5%前後と、決して軽視してよい症状、疾患ではないのです。

 

 

この胎盤早期剥離による胎児の死亡は、なんと周産期死亡(妊娠22週目以降、出産前の胎児の死亡)原因の第1位で、周産期死亡の17%が胎盤早期剥離によるものであると言われています。

 

胎盤早期剥離は、多くの場合緊急帝王切開などの方法によって対応されます。

 

 

 

胎盤早期剥離の原因と、葉酸との関係

 

胎盤早期剥離の原因は、「これ」といったものがまだ確実にわかっていません。

 

妊娠高血圧症候群、絨毛膜羊膜炎、切迫早産、前期破水、羊水過多、腎炎、バセドウ病、子宮筋腫などのある方。胎児奇形や、子宮内胎児発育遅延のある方。

 

胎盤早期剥離を過去に経験している方。転倒や交通事故などの外的刺激のあった方。

 

喫煙している方等が「なりやすい」とされてはいますが、ではどれがどうと言い切るほと詳しいことはわかっておらず、発症確率は少ないものの、全ての妊婦に胎盤早期剥離の可能性がないとは言えません。

 

そんな中、胎盤早期剥離を予防するために葉酸が効果的なのではないか、という研究結果も発表されています。

 

カナダで行われた動物実験では、葉酸不足のマウスには胎盤早期剥離が起る確率が高い、という結果が得られました。

 

また日本でも、聖マリアンナ医科大学によって、葉酸不足は胎盤早期剥離のリスクを招くとの発表が行われています。

 

葉酸は、細胞分裂や細胞の増殖を助ける働きのある栄養素です。葉酸を充分に摂取しておくことで、胎盤の異常を予防し、胎盤早期剥離のリスクを下げる可能性が指摘されているということですね。

 

またさらに、胎盤早期剥離には子宮内の胎児の発育遅延が伴うケースがあるとも言われていますが、葉酸の摂取は胎児の発育遅延を予防するという観点からも、胎盤早期剥離の予防として有効と考えられます。

 

 

 

胎盤早期剥離は、原因がしっかりとわかっていないために予防方法がほとんどありません。それでも、取れる対策はゼロではないのです。

 

交通事故や転倒など、外的刺激があった場合は、見た目何ともなくても必ず産科を受診すること。

 

妊娠希望、あるいは妊娠中の期間だけでも、しっかりと禁煙すること。

 

妊娠高血圧症候群にならないよう気をつけること。

 

毎回、決められた妊婦健診をしっかりと受けること。

 

そして、目安摂取量に従い、葉酸を摂取しておくことなどが、胎盤早期剥離の予防法として挙げられると覚えておきましょう!